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ウッドバッファロー国立公園

著者 Shigeru Nakamura

ウッドバッファロー国立公園はカナダ・アルバータ州北東部とノースウエスト準州の南部に広がっているカナダ最大の国立公園です。面積は約45,000平方キロメートル、日本の九州の大きさとほぼ同じで、1922年に国立公園として指定されました。1983年にはユネスコ世界自然遺産として登録されています。

ウッドバッファロー国立公園への交通手段ですが、エドモントン、又は、カルガリーから飛行機を利用し、ノースウエスト準州とアルバータ州の境に位置するフォート・スミス、あるいは公園の南東に位置するフォート・チペワイアンへ飛びます。イエローナイフからは3号線、2号線、5号線の約800㎞のスレーブ湖畔をドライブして南下するとフォート・スミスに到着します。湿地帯として夏の間は車の通行が不可能な場所もありますが、冬の間は湿地帯が凍りアイスロードとなり、車での通行が可能になります。

この国立公園には数多くの野生動物が生息しています。公園の特徴となっているおよそ5000頭の森林バイソン、絶滅の危機にさらされているアメリカ白鶴、サンドヒル鶴、ヘラジカ(ムース)、オジロジカ、森林オオカミ、ブラックベアー、リンクスと呼ばれるカナダオオヤマ猫、ライチョウ、ビーバー、キツネ、野兎などと出会うことが出来ます。

絶滅の危機にさらされているアメリカ白鶴は頭の部分に赤い斑点があり、北海道のタンチョウ鶴に似ています。1982年にはわずか19のツガイが生息していましたが、2011年の統計では75のツガイ、子供も含めて279羽が確認されています。アメリカ白鶴は公園内のパーソン(Parson’s)と名付けられた特定のルックアウトからのみ望遠鏡を通して観察することが出来ます。鳴き方にも特徴があり、アメリカ白鶴の鳴き声は公園内に響き渡ります。5月から6月にかけては子育ての時期なので、親は子供を外敵から守るためにキツネやオオカミなどが子供に近づけないような場所、例えば、池や小さな湖の近くの湿地帯で子育てをします。子供が空からも狙われているので、家族は共に行動し、両親は常に我が子を見守ります。

森林バイソンは多い時には50頭ぐらいの群れで移動しますが、雄が年を取ってしまうと群れから仲間はずれにされ、1頭で行動するようになります。とても寂しい光景です。雌は老いても群れと共に行動します。5月から10月にかけてはパイン・レイクロードやパーソンズ・レイクロードで森林バイソンを見かけることが出来るでしょう。しかし、冬場は道路サイドに雪が積み上げられるのでバイソンの通り道が遮断され、平原に行かないと彼らを見つけることはできません。

公園内には世界的にも珍しい世界最大のピース・アサバスカ・デルタ「内陸三角州」があります。その近くにスイートグラスと呼ばれる平原があり、BBC放送局制作の「フローズン・プラネット」という番組の中でオオカミが森林バイソンを攻撃するシーンはこの場所で撮影されました。冬場は餌が不足することから、森林オオカミはバイソンを襲い、倒すチャンスを常に狙っています。複数のオオカミのチームワークにより、900㎏にも及ぶ巨体バイソンの足を攻撃して倒してしまいます。まさに自然の驚異です。

野生動物との遭遇は勿論ですが、フォート・スミス付近は常に天気が安定しているので、5月から7月末までの白夜を除き、オーロラを鑑賞するのには最適な場所の一つと言われています。広大なウッドバッファロー国立公園。公園内は車での移動、又は、徒歩でトレールを散策することが出来ます。公園を訪れる際にはパークス・カナダ公園管理事務所に立ち寄り、事前に情報を入手することをお勧めします。

ウッドバッファロー国立公園管理事務所
http://www.pc.gc.ca/pn-np/nt/woodbuffalo/index.aspx

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