カナダ通の ブログ

ブログのトップページに戻る

最新の土木技術を駆使して観光の目玉を作る

著者 Tatsuo Gunji

バンクーバーの海辺でシーフードの昼食を取った後、私たちは、2010年の冬のオリンピックでメイン会場になったリゾート地、ウィスラー村に向かうことにしました。その途中、市内から車で40分のところにある観光名所、キャピラーノ渓谷に寄りました。ここは深い峡谷と谷川、針葉樹の大木など、バンクーバー市の豊かな自然が実感出来るところですが、加えて「観光の目玉」作りに大変熱心な観光地でもあります。

以前のブログ「カナダ西海岸。温帯雨林で“森の人”になる」http://mediacentrejapan.canada.travel/content/ctcblog/TG/Oct24
にも書きましたが、まず、長さ137mの吊り橋がスリル満点。橋は谷底の川から70mも上にあります。また、地上30メートル、全長200メートル、森の木々の間をつないで作られたウッドデッキ(「ツリートップ・アドベンチャー」)もあります。これはまるで空中回廊のよう。

そして、さらに。今回は、去年出来たばかりの恐怖の新アドベンチャー、「クリフウォーク(Clifwalk)」を体験しました。半円形のブリッジを断崖に張り出すように吊り下げた、何ともユニークな観光の目玉です。半円形の橋を吊り下げているのは、岸壁に打ち込んだたった一か所の杭。そこから何本ものワイヤーを出して橋を吊っています。聞くと橋に乗れる人数の制限はないということなので、余程頑丈に杭を打ち込んでいるのでしょう。
この強度を可能にしている秘密は何なのでしょう。それにしても最近の土木技術はすごいですね。半円形の板張りの歩道は幅50センチほど、谷底からの高さは90メートルほどもあるそうです。手すりにつかまって、そろそろと空中を歩きながら、下を覗くと眼下に木々が茂っていて、そのはるか下に川が流れています。このClifwalkは、いまや大人気の観光の目玉になっているそうです。

土木技術と言えば、2009年に完成したウィスラー村の観光の目玉、ピーク・トゥー・ピーク・ゴンドラ(Peak 2 Peak Gondora)もすごいです。ともに2千メートル以上の山であるウィスラー山とブラッコム山の2つの山をつないで、長さ4.4キロ(支柱のないところは3キロで世界最長)のロープウェーを作ってしまいました。まず別のロープウェーでブラッコム山に登り、そこからPeak 2 Peak Gondoraに乗り換えます。私たちが登った日は、直前まで強風でストップしていたのが再開されたところ。
乗り込んだ巨大なゴンドラが風に揺れるのはちょっと怖い感じもしましたが、滅多に味わえないスリルを体験しました。ロープは一番高いところで谷底から436メートルものところを走っていて、これも世界最高。太くて重い頑丈なロープを山から山へ、谷を越えて渡すのはどうしたのか。また、それをピンと張って両端の基礎に結びつける。そのロープに何台ものゴンドラを走らせて行く。これは想像を越える難しさです。最新の土木技術を駆使したに違いないとは思いますが、実は、このPeak 2 Peak Gondoraの建設の過程をディスカバリー・チャンネルが記録したそうです。
世界有数のリゾート地であるウィスラー村の観光政策については、また回を改めてお伝えしようと思いますが、何はともあれ、最新の土木技術を駆使して世界最高の観光の目玉を作ってしまう。キャピラーノ渓谷のClifwalkとウィスラー村のPeak 2 Peak Gondora。その2つに共通する、ユニークで貪欲な観光政策、その企画から設計、建設、完成までの過程の面白さ、高度な土木技術の数々、資金調達等の情報は、日本の視聴者にも興味深いテーマではないでしょうか。

Ontario,Georgian Bay - 背景画像を見る